プロフィール

角谷 美穂 [ 看護師 / 管理者 ]
大学病院で救急外来・外科混合病棟勤務を経て、介護施設やクリニック、学校保健室など多様な現場で経験を重ねてきました。看護師としてだけでなく、教育・人材育成・イベント企画など幅広く活動し、現在はサクラボ訪問看護ステーションの管理者兼役員として在宅医療に携わっています。
角谷 美穂どんな環境でも、やっぱり「人を笑顔にしたい」という想いは変わりません。看護って特別なことじゃなくて、誰かを気にかける心の延長だと思っています。訪問看護を通して、そんな思いやりの縁がもっと広がっていったら嬉しいです。
角谷さんの看護師としての始まり



看護師になろうと思ったきっかけはありましたか?



母からの一言が大きかったです!
看護師を志したのは、小学6年生のときでした。将来の夢を考える授業で母に「看護師のやりがいって何?」と聞いたところ、「元気になって退院する患者さんの笑顔を見ること」と答えてくれたんです。
その言葉が心に響き「その笑顔、私も見たい!!」と強く思いました。その瞬間から、看護師になるという夢が明確になったことを今でも覚えています。
母は家庭と仕事を両立しながら、周囲から信頼される看護師でした。私はときどき職場へ行くこともあり、医療の現場に自然と触れていたことで「自分も人の役に立ちたい」と思うようになりました。
高校時代も気持ちは一度も揺らがず、大学では看護学を専攻。勉強や実習で多忙な毎日でした。ですが、母から聞いていたやりがいを少しずつ理解し、人に寄り添う大切さを学んで活きました。あの頃教わった母からの言葉は、今でも私の看護師としての出発点であり原点です。



大切にしている看護観はありますか?



看護とは「看て」「護る」こと。すべての人が持つ“気にかける心”を大切にしています。
私が大切にしていることは、気にかける心です。看護師が「看て」「護る」と書くように、看護の本質は人を看て護ること。つまり、目の前の人の表情や声、仕草から気持ちを汲み取り、さりげなく寄り添うことです。
それは資格の有無に関係なく、誰もが持っている“気にかける心”だと感じています。看護師としての現場は忙しく、目の前の業務に追われることもありますが、その中でも「この人はいま何を感じているのだろう」と想像することを大切にしています。
小さな変化に気づく力や、気持ちを察して行動できる力が、看護の根底にあると信じています。看護の心は、患者さんだけでなく、仲間や家族、自分自身にも向けられるものです。誰かを気にかけるその瞬間に、すでに看護は始まっていると感じています。
私はこれからも人として、看護師として、誰かを気にかける心を大切にしていきたいです。
角谷さんにとって訪問看護とは



訪問看護をはじめたきっかけを教えてください。



柔軟な働き方に魅力を感じ、看護師としての新たな可能性を求めました。
大学病院で勤務していた頃は、救急や外科の現場で多くの症例に関わりながらも、どこか「人ではなく病気を見ているような感覚」に違和感を覚えていました。
診療や処置が中心となる日々の中で「この人はどんな生活を送りたいのか」「何を大切にしているのか」といった想いに寄り添う時間が少ないことに、少しずつ物足りなさを感じるようになったのです。
病院勤務にやりがいを感じながらも「自分らしく働ける場所を見つけたい」という思いでした。そんなとき、偶然声をかけてもらった訪問看護ステーションの立ち上げスタッフ募集が目に留まり「面白そう」と感じたことが訪問看護に触れた始まりです。
当初は在宅医療の知識も浅く、最初の一歩は不安でした。しかし、訪問を重ねるうちに病院では見られなかった患者さんの生活のリアルに触れました。患者さんの生活には、それぞれの人生がそこにはあり、看護師として関わる責任と温かさを同時に感じたのです。
また、柔軟に働けることも魅力でした。自分の時間を大切にしながら、看護師として力を発揮できる在宅の現場は、これまでの働き方に新しい風をもたらしてくれました。



訪問看護がやりがいに感じる瞬間はありますか?



“生活を支える看護”だからこそ見える人の想いや変化があります。
訪問看護の魅力は「治療」ではなく「生活」を支える仕事であることです。病院ではベッド上のケアが中心ですが、在宅ではその人の暮らしそのものに寄り添います。
あるご家族は、在宅での看取りに迷いながらも「最期まで家で見届けたい」という想いを選びました。その時間をともに過ごし、最後に「ここで過ごせてよかった」と言葉をもらったとき、看護師として深い充実感を感じたことは今でも覚えています。
訪問看護では1回の関わりではなく、継続的な関係の中でその人の人生を見届けます。元気なときも、つらいときも寄り添うことで信頼が生まれ、患者さんや家族の表情が少しずつ変わっていくのを感じることができるのです。
人の生き方に関わる仕事だからこそ、責任も大きいと感じます。その分、心から「看護って素晴らしい」と思える瞬間があり、その瞬間こそが訪問看護のやりがいです。
管理者としての角谷さん



サクラボ訪問看護ステーションの管理者に選任されてからの変化を教えてください。



組織運営と人材育成の両立に挑み、日々成長を感じています。
管理者となってから、看護の視点だけでなく「チームを育てる」という新しい視点を持つようになりました。ただ、訪問看護師としての学びを深めながら、組織全体の方向性を考えることは簡単ではありません。
自分自身の成長はもちろん、職場環境づくり、人間関係の構築など、日々課題が山積みです。その中でもとくに意識しているのは、メンバーとのコミュニケーションです。
意見がすれ違うこともありますが、互いを尊重し、対話を重ねることで信頼関係が深まります。まだまだ、教えて頂くことが多い毎日なので、チームで協力しながら前に進めたらと考えています。
リーダーとしての責任は重く感じますが「サクラボ訪問看護ステーションを良くしたい」「スタッフや患者さんの笑顔を増やしたい」という想いが原動力です。管理者として、そして一人の看護師として、共に成長していくことを意識していきます。



サクラボ訪問看護ステーションのビジョンと活動への想いを教えてください。



“生きることを支える看護”を伝え、共に学び合う仲間を増やしたいです。
今後は「生きることを支える看護」をテーマに、看護の本質をもっと多くの人に伝えたいと思っています。訪問看護では、“生ききる”という言葉の重みを日々感じています。
亡くなることは悲しいことだけれど、最後までその人らしく生きる姿を支えることは、とても尊いことです。その支えの基盤こそが、訪問看護だととも捉えています。
また、これから訪問看護に挑戦する若手や管理職を目指す看護師たちに向けて、学び合える環境をつくりたいです。自分の経験や課題を共有することで、次の世代の支えになりたいと思っています。
さらに、看護師が自分の人生も大切にできる職場をつくることも目標です。個人の「やりたい」を応援できる環境を整え、看護師一人ひとりがいきいきと働ける職場づくりを目指していきたいと思います。
柔軟な働き方ができるサクラボ訪問看護ステーションを通して、看護師の未来を変えていきたいです。
角谷さんの取材を終えて



明るく柔らかい雰囲気がありながらも、看護師としての強さと覚悟を感じられる方でした。そんな角谷さんのMBTIは【INFP】です!
角谷さんの話からは、看護師としての誠実さと人間味がにじみ出ていました。病院勤務、教育、在宅看護、管理職へとキャリアを重ねても、常に「人の笑顔のために働きたい」という原点を大切にされている感じが伝わりました。
「看護とは特別なものではなく、誰もが持つ優しさの延長線上にある」──その言葉どおり、角谷さんの看護観は温かく、そして力強いものでした。彼女とサクラボ訪問看護ステーションの歩みが、多くの人の人生を支える光となることを心から願います。
取材させていただき、ありがとうございました。
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私たちも訪問看護の運営や制度対応で、情報不足に悩んだ経験があります。
「加算の算定条件が分からない」「制度改定後の対応が遅れた」「人材育成の進め方に迷った」
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現場の工夫や制度対応のヒントを交換し、一人で抱え込みがちな不安や迷いを一緒に解決していきましょう。
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